X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)とは、X線を利用して人体の輪切り像を得る検査です。コンピュータを用いた特殊な画像処理を行うことで体内のより細かな情報を得ることが可能です。 血管や病変をより鮮明に映し出す造影剤という薬を使用することで、病気を早い段階で見つけたり病気の性質を調べたりすることが可能です。
撮影の際は、ベッド(検査台)に寝た状態で、筒の中に入り検査を行います。検査時間は10~20分程です。(検査部位や目的によって検査の時間は異なります。) CT検査は、特に心臓、大動脈、気管支、肺などの胸部、肝臓、腎臓などの腹部の病変、骨折などに関しては、優れた描出能が得られます。
造影CT検査とは
CT検査は、造影剤を使用しなくても行えますが、検査部位や検査目的によっては、検査が不十分になる場合もあります。 造影剤を用いることによって、血管や病巣が分かりやすくなり、より正確な診断が可能になります。この造影剤は静脈注射で体内に注入します。
頭部CT
頭部CTでは頭の中の淡い病気の変化を鮮明に写し出すことが可能です。 脳内の出血や交通事故などによる骨折の状態を素早く、簡単に、なおかつ詳細に調べることが可能です。 専用のワークステーションを用いることで、撮影した画像を立体的に観察することが可能です。 造影剤を使用することで頭の中の血管の状態を調べることができ、立体画像を作成することにより脳動脈瘤などの診断を容易に行えます。
胸部CT
胸部CTでは5~10秒程の息止めをしっかりと行うことで肺の状態を細かく調べることが可能です。 肺に含まれる気管、血管、そして空気を最もきれいに観察できる検査です。1回の撮影であらゆる角度から観察可能な画像を得ることが可能です。 より細かい画像を作成することで肺の末梢まで観察することが可能です。造影剤を使うことで血管の状態や病気の性質を診断できます。最近では、造影剤の使い方と特殊な撮影技術を使うことにより5~10秒ほどの息止めで、動き続ける心臓を鮮明に撮影することが出来るようになりました。動きの激しい数㎜の細い冠動脈をきれいに映し出すことが可能となりました。
腹部CT
腹部CTでは主に造影剤を用いて10~15秒程度の息止めで各臓器の状態を調べることが可能です。血管や臓器(肝臓、腎臓、膵臓など)をよりわかりやすく映し出すために造影剤を静脈より投与して検査を行います。 また、正確に診断を行うために、撮影された画像は、あらゆる角度から立体的な観察が可能です。CTで得られた画像は治療を進めるうえで大きな手助けとなります。
四肢CT
四肢CT検査では、股関節、膝関節、手足などの撮影を行います。 X線撮影検査では得られない立体画像が得られるため、手術計画や交通外傷などの診断に有効な検査です。
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