MRI検査

MRI検査

MRIとは(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)の略称です。非常に強い磁石と電波を利用して、人体の様々な断面を撮像する検査です。当院では3.0テスラのMRI装置が稼働しており、様々な部位・疾患に対して必要な情報を提供しています。
MRI検査は特殊な環境下(強い磁場)で行う検査ですので、注意事項を十分にご確認ください。

xray-image46 SIEMENS MAGNETOM Skyra
MRIの特徴
  • X線を使いません。
  • 体中のあらゆる方向の画像が得られます。
  • 痛みは全くありません。
  • 強い磁石と微弱な電波を使って検査をします。
  • 検査時間が長くかかります。
  • 大きな音がします。
検査のながれと注意事項

検査のながれ

MRI検査をより安全に受けていただくために毎回、MRI検査室入室前に
チェック用紙をお渡ししておりますので、一読して確認をお願いします。

  1. 検査室に入る前に注意事項について再度確認をします。
  2. 検査用ベッドに仰向けに寝て下さい。(体の位置がずれないように固定をする場合があります。)
    検査中に気分が悪くなったりした場合の連絡用に呼び出しブザーをお渡しします。また検査中は担当者とマイクを通じていつでも会話ができます。(リラックスしてお受け下さい。)
    音を和らげるためにヘッドフォン、耳栓などを行います。(検査の内容により対処が異なります。)
  3. 検査がはじまると連続的に「トントン」という音がしますが磁石から出る音ですので心配はいりません。動かないように寝ていて下さい。(胸部の検査や腹部の検査の場合は何回か息をとめて検査を行うことがあります。)
  4. 検査の内容(より詳しく調べるため)によっては造影剤という薬を静脈内に注射して検査を行う場合があります。

当院では造影剤使用承諾書の署名を毎回お願いしています。

注意事項

MRI検査室は常に強い磁場が発生しています。磁石にひきつけられたり、破損のおそれのあるもの、画像に影響するものについて検査前に検査スタッフがチェックし、あらかじめ取り外していただきます。原則、頭頚部検査以外の部位では検査着に着替えていただきます。(検査部位の近くにファスナー・ホック・金属ボタンなどがある場合には検査着に着替えていただくこともあります。)

以下の方はMRI検査を受けることができない場合がありますので、事前に検査スタッフにお知らせください。

○検査を受けることができません

  • 心臓ペースメーカーを使用している方
  • 人工内耳を埋め込まれている方
  • 可動型義眼を装着している方
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○検査を受けることができない場合があります

  • 脳動脈瘤の手術を受け金属クリップを入れている方
  • 金属製の心臓人工弁を入れている方
  • その他の金属を体内に入れている方(眼に金属粉等が入っている可能性のある方)
  • 妊婦又は妊娠している可能性がある方
  • 閉所恐怖症の方

検査室に持ち込めないもの

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  • 金属類
    時計、メガネ、ライター、鍵、アクセサリー(ピアス、ネックレス、指輪)、ヘアピンなど
  • 磁気カード
    キャッシュカード、テレホンカード、定期券、駐車券、診察券など
  • その他
    携帯電話、補聴器、入れ歯、カイロ、湿布、マスカラ、アイシャドウ、刺青など

頭部領域

頭部MRI検査の画像として、様々な撮像方法を組み合わせて診断することで、脳梗塞や脳出血、その他の変性疾患を区別して的確に診断することができます。
また、造影剤を使用することにより、小さな脳腫瘍や血管の診断にも有効な検査です。
MRI検査では、造影剤を使用しないで、血液の流れを利用して血管を描出する(MR-angiography:MRA)ことができ、脳動脈瘤、動脈塞栓症、血管狭窄などの診断に有用です。
しかし、検査時間がやや長いことや、体の動きの影響で画質が劣化しやすいなどの欠点があり、患者様のご理解とご協力が必要となります。

xray-image49 (症例:脳腫瘍) 同じ断面でも様々な撮像法で異なる画像が得られます。
xray-image50 頭部血管MRA
xray-image51 頚部血管MRA

脊髄・脊椎領域

骨の内部の状態から関節や椎間板、周りの筋肉、腱、靱帯、神経の圧迫の有無の診断に役立ちます。
椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症や圧迫骨折などの診断に有用です。

(症例:頸髄腫瘍)

xray-image52 T2 矢状断像
xray-image53 T1 矢状断像
xray-image54 T2 横断像
xray-image55 T1 横断像
xray-image56 造影 横断像

(症例:腰椎圧迫骨折)

xray-image57 T2 矢状断像
xray-image58 STIR 矢状断像
xray-image59 神経根撮像
乳房領域

MRIは他のモダリティに比べて乳管内進展の検出に優れ、乳がんの治療に際して広がり診断や多発などの存在診断に有用です。

xray-image60-2 乳がん 矢状断像
xray-image61 乳がん 横断像
上腹部領域

MRI装置により基本的には息を止めて撮影を行いますが、呼吸に合わせて(自然の呼吸状態で)検査を行う場合もあります。
水からの信号を画像化することにより、胆嚢や胆管、膵管を描出した画像を撮影することが可能です(MRCP)。この検査では、胆石、胆管の拡張や狭窄などを診断することができます。

(症例:胆石)

xray-image62 T2 横断像
xray-image63 T2脂肪抑制 横断像
xray-image64 T2 冠状断像
xray-image65 MRCP
下腹部領域

●婦人科骨盤腔

MRIは、全方位的に断層画像が得られるので、子宮内部のようすや卵巣の大きさなどがひと目でわかり、子宮がんや子宮筋腫、卵巣がんなど病変のある場所、大きさや形、広がりの特定に役立ちます。

(症例:子宮筋腫)

xray-image66 T2 矢状断像
xray-image67 T1 矢状断像
xray-image68 T2 横断像
xray-image69 造影 矢状断像

●前立腺

前立腺において、MRIはCTよりも鮮明な画像を得られるほか、断面の撮影角度も自由に設定できるメリットがあります。
前立腺がんの場合、がんが前立腺のどこまで浸潤しているのか、また近くにある精嚢や膀胱、直腸などに広がっていないかどうかを調べるためにMRIは有用です。さらに腫瘍の良性・悪性の区別にも役立てられています。

(症例:前立腺がん)

xray-image70 T2 横断像
xray-image71 T1 横断像
四肢領域

MRIでは、X線撮影で診断の難しい靭帯や半月板などの組織も明瞭に描出することができます。骨組織はもちろん関節、靭帯の診断にも有用です。

(症例:左膝疲労骨折)

xray-image72 STIR 矢状断像
xray-image73 T1 冠状断像
xray-image74 STIR 横断像

(症例:右肩骨挫傷)

xray-image75 STIR 冠状断像
xray-image76 T2* 横断像

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